この記事では　『術後の疼痛』について書いていきたいと思います。

 

腰の手術をしたのに痛みが変わらない。。。

 

『椎間板ヘルニア』や『変形すべり症』、『分離すべり症』と診断されて腰椎の手術を施行したにもかかわらず、腰や足に痛みやシビレなどの症状が変わらなかったり、残ってしまうことがあります。

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医学的には　『術後腰下肢痛』と呼ばれる症状ですが痛みが変わらないのは、神経損傷後疼痛、椎間板原性疼痛、筋・筋膜由来の疼痛、心理社会環境因子などが複雑に関与していると言われています。

 

関係する様々な因子

 

手術後の痛みやしびれが取れないのには様々な因子が関係していると言われています。

因子の一例としては

 

〘術前の因子〗
不十分な病態の把握により、手術の術式を誤った

 

〖術中の因子〗

神経根の検索不足
ヘルニアの見落とし、または取り残し
椎弓切除不または高位の誤認
不十分な黄靭帯の処置後の瘢痕

 

〖術後因子〗

腰痛の不安定性や癒着性、くも膜炎の発生

 

〖治療による因子〗
硬膜外ブロック・神経根ブロック・脊髄造影による癒着性くも膜炎

 

〖手術以外の因子〗

椎間板の変形やヘルニアの再発・再燃

 

〖その他〗
心理社会環境因子

 

ほかにも因子はありますが、このように術後も痛みが取れない要因には様々な可能性が絡んでいます。

 

そもそもレッドフラッグの兆候が見られない

非特異性腰痛の場合、痛みの要因は一つではない可能性があります。

手術で一つの原因を除外したからといって
痛みが変わらないのは必然的なのかもしれません。

 

術後腰下肢疼痛については
以前では特に欧米での症例が多くみられましたが

近年では椎間板ヘルニアなどに関しては

手術療法の術後成績不良例などの観点から
保存療法を中心に診療を行う病院が増えています。

 

日本でも以前ほど椎間板ヘルニアについて
手術を強く推奨することはなくなっていると思います。

 

腰痛の手術に関しては、緊急性の高いもの　や　後遺症が残りそうな症状以外は手術は最後の手段でも良いと思います。

 

もし手術を勧められたら、主治医にしっかり相談するか
セカンドピニオンなどを行って、しっかり理解してから行うようにしてくださいね。

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